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11.おさななじみ vs. いいなずけ②

작가: 鷹槻れん
last update 최신 업데이트: 2025-06-21 23:00:49

「あー、あの……寛道。ちょっと時間掛かりそうだから電話、一旦切るね。住所表示見つけたらすぐ連絡するっ」

 そわそわしながら言ったら、少し不機嫌そうな声で『ホントにすぐ連絡してくるんだろうな?』って聞かれた。

 その声に思わずムッとして、「幼なじみを信じなさいよね!?」って言ったら、『掛け直してこない前科持ちに信用があると思うな』とか。

 た、確かにっ。

 余りにごもっともな言い分に言葉に詰まった私に、溜め息まじりに『待ってる』って言われて、一方的に通話を切られてしまった。

 何なのよ、もう!

 思いながらもとりあえず玄関を探そうって気を取り直した。

 〝ここがどこなのか問題〟は、明日からの生活にも掛かってくることだもの。

 しっかりしなきゃ。

***

 ショッピングモールさながらに、屋内で迷子になってしまうかと懸念したけれど、広いといってもまぁ一個人の邸宅。

 ぐるぐる歩いていたらちゃんと玄関に出られてホッとする。

 でも、玄関に靴が一足も出ていないってどういうことですか!?

 とっても広い土間なのに、サンダルはおろか、靴がひとつも置いてないとか、何ごとなの?

 掃除中か何かですか?

 うちのアパートの玄関にはお母さんと私の靴が小さなシューズラックに所狭しと並べてあって、それでも収まり切らない靴や、割とよく履く靴なんかがいつでも数足土間にもあふれてたのに。

 あ。そういえばこの前テレビで玄関横にシューズクロークとかいう、「靴だけのための空間」がある家のことやってたっけ。

 まさか、ここも?

 そう思ってみれば、玄関横に扉。

 多分それだ。

 廊下にもちゃんとそちら側に向けた出入り口があって、そこからも土間に降りて玄関の方へ行けるみたい。

 何て贅沢な空間の使い方!

 思いながら恐る恐る玄関横のシューズクロークと思しき側の引き戸を開けて、そちらのスペースを覗くと、ビ

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  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ⑥

    確かにテーブル下は床が一段掘り下がっていて、足を下ろして座れるようになっているみたい。 小声でなされた提案とともに、耳孔に頼綱《よりつな》の吐息が吹き込まれて。 「ひゃあっ」 びっくりした私は耳に手を当ててのけぞった。 それと同時、料理を手に現れた、ぱっちり二重の美しい女性と目が合ってしまう。 黄色みがかった麻の葉ぼかしの茶衣着に、燕脂の腰下前掛けが〝あまみや〟の雰囲気にも、彼女がまとう柔らかな印象にもよく似合っている。 私の奇声に動じることなくニコッと微笑んだその人は、肩より少し長いぐらいの黒髪を、後ろでひとつに束ねていた。 「静子《しずこ》さん、今日は急に予約を入れて申し訳なかったね」 そう頼綱が声をかけたところを見ると、顔見知りみたい。 「いいえ。御神本《みきもと》先生にはいつもご贔屓にしていただいて……ありがとうございます」 手にした盆の料理――天ぷらの入った竹籠など――を見れば、彼女こそが先ほどから話に出ていた雨宮《あまみや》さんの奥様だと分かる。 注文はまだのはずだったけれど、すでに料理が運ばれてきたということは……。 「お電話でご予約頂いた、春の天ぷらの盛り合わせです」 言われて、車の中で告げられた提案は頼綱の中ではすでに〝決定事項〟だったんだ、と気が付いた。 ご丁寧にエビ天やサヨリやイカやホタテの天ぷらまでちゃんと盛られているのを確認した私は、小さく吐息をつく。 こういうの、何だか寂しいな――。 一緒に食べに行くのなら、事前にちょっとは相談してくれてもいいじゃない?

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ⑤

    「――花々里《かがり》。確かに鳥飼《とりかい》はハンサムだけどね。さすがに目の前で僕以外の男に興味を持たれるのは面白くないんだけど?」 私は今、怖ぁ〜い顔をした頼綱《よりつな》に壁際に追い詰められています……。 ひーん。 口調も「僕」だしっ。 ねぇ頼綱。 私、別にあの人に興味なんて持ってないよ? ヤクザ屋さんじゃなかったんだ!って思っただけだし。 こんなキラキラした頭の研修医がいる病院ってすごいなって感心しただけだよ!? それにあの綺麗な金色を見ていたら……。 じゅるり……。  思わず生つばが込み上げてきて、私は慌てて口の中ににじみ出てきた唾液を嚥下した。 そもそも――。「私、顔は断然頼綱の方が好……」 思わず要らないことを言いそうになって、慌ててブンブン首を横に振った。 「好みの顔」=「好き」じゃない。「好みの顔」=「好き」じゃない。「好みの顔」=「好き」じゃない。 自分に言い聞かせるように心の中で3回そう唱える。 何で3回なのかは自分でもよく分かんないけどああ言う系は大抵「3」だと相場が決まっているもの。 わーん。雨宮《あまみや》さん(の奥様?)、早くオーダー取りに来てぇ〜! 追い詰められた私は助けを求めて障子戸を見つめずにはいられない。 それがまた、頼綱には鳥飼さんを求めているように見えて?気に入らなかったみたい。「言っておくけどね、花々里。鳥飼はダメだ。あいつはひとりの女と長続きした試しがない」 言われなくても見た目で十分判りますっ。 っていうか私、そんな目であの人のこと見てませんし。 強いて言うなら――。「天ぷら……」

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  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ②

    「やぁ雨宮《あまみや》、久しぶりだね」 そのカウンターの奥、朴訥《ぼくとつ》という言葉がしっくり来る、黒髪・短髪の店主さんがいた。 頼綱《よりつな》の呼びかけから察するに、屋号にもなっている「あまみや」というのが彼の名前らしい。 キリッとした少し濃いめの眉毛に、板前然とした白の和帽子。そこから出ているところは綺麗に刈り上げられていて、とてもお堅そうな印象。 七分袖の真っ白な法被姿も、如何にもキチッとしていて、謹厳実直そうに見えた。「御神本《みきもと》先輩、お久しぶりです」 先、輩? 頼綱に向かってぺこりと頭を下げる雨宮さんを見て、きょとんとする。「ああ、彼は俺の中学時代の後輩なんだ」 何の?と思ったら「将棋部のね」と言われて、その老成したイメージに、妙にしっくりきてしまった。 っていうか中学の部活で将棋部とかあったの!と驚いてしまったのだけれど。「珍しいだろう? 将棋部」 ってまるで心を読まれたみたいに言われてしまった。 私は「分かりやすいみたいだから気をつけよう」と前に思ったことをふと思い出す。「雨宮、こちらは俺の許婚の――」「奉公人の!! 村陰《むらかげ》ですっ」 許婚、というのをかき消すように被せたら「使用人とふたりきりで料亭にくるとかおかしいだろう」と頼綱に至極まともな駄目出しをされる。 でもっ。 私はあくまでも……あなたとは雇用契約で結ばれただけの存在でいたいの。って言うか、いなきゃいけないのっ!「婚姻届にもサインしておきながら情《つれ》ない女だ」 とか……。 話がややこしくなるのでいらないこと言わないでいただけます!?「御神本先輩、今日は個室でいいんですよね?」 私の心配をよそに、雨宮さんが至ってマイペースにそう言った。 店員

  • そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜   14.隠れ家的なんとかと言うやつ ①

    「予約はね、取ってあるんだ」 ここは一般の和風建築のご家庭ではないですか?という雰囲気。 植え込みの間を縫うような小道に、白くきらきら輝く玉砂利がまかれていて、その中をまるでここを通って行くいんだよ、と教えるように木曽石《きそいし》――花崗岩《かこうがん》――の丸っこい飛び石が伸びる。 頼綱《よりつな》の家の、長い長い石畳の通路とはまた違った風情で、規模が小ぢんまりしている分、どこか鄙びていて趣深いようにすら感じられて。 今は昼間だから付いていないけれど、道のそこここに配置された小さな灯籠型ガーデンライトは、暗くなってきたら通路を照らす道しるべになってくれるんだろう。 その飛び石の道を、頼綱について恐る恐る渡って行く。 本当にここ、お店……なのかなぁ? どう見ても一般のお宅にしか見えない。 不用意に付いて行ったら、家の中から和装美人な頼綱の彼女とかが出てきて「あらヨリさん、ご飯食べに来てくれたの? 入って、入って♥」とか……そんなことにならないかしら。 三文芝居のようなチープな絵面が思い浮かんで、思わず足が止まってしまう。 だって、もしそんなことになったら、そこにのこのこ付いていって居合わせた私は、とんだ道化役だもの。「花々里《かがり》?」 と、急に立ち止まってしまった私をいぶかしんだ頼綱に呼びかけられて、早くおいで?と急かされるように手を引かれた。「あ、あのっ、私やっぱり……」 帰る!って言おうとしたら、頼綱の背中越し、縦格子の引き戸にシンプルな生成りの半暖簾《はんのれん》が掛かっているのが見えた。 暖簾があるってことはやっぱりお店だったんだ!とホッとした私は、現金にもそそくさと頼綱の横に並んだ。 暖簾には墨でさらりと書き流したような流麗な文字で「あまみや」と書かれていて――。 せっかく暖

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